2007年10月11日
船井幸雄と松下幸之助に学んだこと―カリスマの研究
この本の面白いところは、 なんといっても、1冊の本の中で、 船井幸雄と松下幸之助という二人のカリスマについて 比較研究しているところだ。 著者の中島孝志氏は、船井幸雄氏 ならびに 松下幸之助氏とも 直接の交流があったそうで、 中島氏の直接の体験談から2人のカリスマについて つづってある。
目次は次のとおり、。
- 第1章 経営のコツ、人生のコツ
- 第2章 活眼刮目
- 第3章 運を創る、運を開く
- 第4章 運命観をつかんだ原体験
- 第5章 死との対面、生との直面
- 第6章 カリスマの宗教体験
- 第7章 カリスマの人間観
- 第8章 宇宙の哲理に気づく
- 第9章 天の理に順応して生きる人生
また、「第4章 運命観をつかんだ原体験」の冒頭では、 「感受性が運命を変える (p97) 」と題して、 松下幸之助氏が経営講演会を行ったときのおもしろいエピソードが書かれている。 その経営講演会で松下幸之助氏は、持論の『ダム経営』について 熱弁をふるった。 ちなみに松下幸之助氏のいう『ダム経営』とは、 「経営においては、不況になっても大丈夫なように 平素から経営にダム(内部留保などの余裕)を 造っておかねばならない」という理論である。
そして、講演終了後の質疑応答で、講演を聴いた中小企業の経営者から 「余力のない中小企業が『ダム経営』をするためには、 まず、何をしなければいけませんか?」 という質問があった。 それに対して、松下幸之助氏は、ニコニコ笑いながら、 「それは簡単です。まず、ダム経営をしたいと願うことです」 と答えている。 この回答に300人集まった経営者たちは これは松下幸之助氏のユーモアだと思い 会場は大爆笑になった ということだ。
しかし、300人の中で ただ一人だけ、 「まず、願うこと」という、この言葉にショックを受けて、 それ以来、このことを忠実に実践してきた若き経営者がいた。 実はそれが、現在の京セラ名誉会長である稲盛和夫氏である。
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2007年10月10日
船井幸雄「リーダーのあり方―大変革期と新・上に立つ者の人間学」
この本の目次は次のとおり。
- 第1章 変革期に生き抜く力を持とう―あなた自身の能力と精神力の向上のために
- 第2章 部下に成長の喜びを教えてあげよう―多様な人材を一流に導く部下育成の視点とは
- 第3章 組織を正しい方向に向かわせよう―時代はどう変わり、組織をどう運営すべきか
- 第4章 私たちの手で世の中をよくしよう―日本の危機は必ず乗り越えられる
この「第1章 変革期に生き抜く力を持とう」の冒頭の節が 「組織はトップで九九パーセント決まる」となっている。 船井幸雄氏の長年にわたるコンサルタントの経験から、 「組織の盛衰はそのトップに九九パーセント以上かかっている」といえるそうだ。 つまり、経営者の器の大きさで会社の大きさが決まると言ってもよい、といっている。 では、経営者の器とは何かというと、それは、勉強好きであるとか、 プラス発想 といった経営に欠かせない姿勢のことだと言っている。
結局、経営コンサルタント会社である船井総合研究所が、成功できたのもの、 成長・発展を続けると見込んだ会社に焦点を当てて、顧客を増やしていったことが一因であり、 それについて、船井氏自身が、 「企業は九九パーセント、トップで決まるのだから、 成功するタイプの経営者のいる会社と顧客契約を結び、 失敗するタイプの経営者のいる会社にはやんわりとお引取り願おう」 と言っている。
それから、この本の後半で、何度も繰り返されているのが こらからは、本物を志向の時代になる、ということ。 では、船井氏の言う「本物」と何か? それは、単純で、蘇生型で、誰もが納得でき、調和型のものである、 という4つの条件を満たすものである、と言っている。 この本物の4つの条件を満たす事業を行ってゆけば、 まず失敗することはないようだ。 ということは、現在、自分が行っていること、 あるいは、自分が所属する組織が行っていることが、 この4つの条件を満たしているかどうかを検証する必要がある、 ということであり、もし、条件を満たしていないのであれば、 それを修正してゆく必要があろう。
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2007年10月 9日
船井幸雄「一粒の人生論」
内容は、船井幸雄氏の 今までのたくさんの著作で 述べられてきていることが、それぞれ4~5ページでまとめられている。 それを、
- 第一章 人間関係が楽しくなる
- 第二章 プラス発想で幸せになる
- 第三章 正しく上手に生きる
- 第四章 いつまでも自分を高める
例えば、「第一章 人間関係が楽しくなる」の 33ページ、 「与えるものが受け取るもの」の節では、 「波動の原理」が説明されており、それは、
- 同じ波動は引き合う。
- 異なる波動は排斥し合う。
- 自分の出した波動は世の中に影響を与えるが、そのまま自分にも返ってくる。
- 優位の波動は劣位の波動をコントロールする。
世の中に存在するものは、すべて振動しています。 すなわち、波動としてとらえられます。 これは事物だけでなく現象も同様ですし、 われわれの思い、コトバ、行動も同様です。とある。
特に 3番目を「フィードバックの原理」と呼び、
影響を受けた外界で起こる波動には、 自分が発信したものが基本として入っているわけですから、 波動の原理の(3)により、 発信した本人に一番強く返ってくることになります。と説明し、これが「与えるものが受け取るもの」の理由だとしている。
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