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2007年7月21日

食品への放射線照射

先日、テレビでニュースを見ていたら 食品に放射線を照射して殺菌する技術について 取り上げていた。

殺菌する方法には 熱を加えたりと いろいろな方法があるらしいが、 X線やガンマ線、電子線などの放射線を照射することによって それを行う方法もある。 特に食品に放射線を照射することを 「食品照射」 というらしい。

この食品照射は最も実用がされているのが香辛料だそうだ。 香辛料に熱を加える、いわゆる「加熱殺菌」を行うと 風味が失われてしまうものが多いので、 熱を使う代わりに 放射線で殺菌すると その問題を解決できる。 日本を除く多くの国々では既に 香辛料に放射線殺菌を 導入しているようなのだが、 日本では まだ 認められていないそうだ。 そのため、日本国内の香辛料メーカーは 放射線照射による殺菌を推進しようとしているのだが、 消費者団体からの反対が強いらしい。

では、日本国内では 全く 食品照射 が認められていないのか、 というとそうでもない。 日本国内ではジャガイモだけが食品照射を認められており、 この照射によりジャガイモの発芽を防止できるそうだ。 しかし、実際に放射線を照射してから市場に出荷されている ジャガイモは僅かだという。

このように食品照射は 日本国内では普及していないようだが、 日本以外の国ではけっこう普及しているようだ。 アメリカに住んでいる私など、 実は知らないうちに、 放射線を照射された食品を口にしているのかもしれない。

と思って調べてみると、 アメリカ国内で 放射線を照射された食品を販売する場合には 「Radura」 と呼ばれる、緑色の丸いマークを付なければならないようだ。 しかし、実を言うと、私はこのマークがついた食品を未だに見たことがない。 今度スーパーマーケットに行った時にでも 注意して見てみよう。

【参考リンク】

カテゴリー: BIO     22:41 | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月22日

EM (Effective Microorganisms)

バイオの世界では「EM」というモノが流行っているらしい。 当初は農業分野での土壌改良材だったのが 今日では、化粧品、健康飲料や健康食品から 環境浄化にまで幅広く使われるようになってきている。

この「EM」とは 英語の「Effective Microorganisms (エフェクティブ・マイクロオーガニズムス)」の頭文字 であり、日本語では「有用微生物群(ゆうようびせいぶつぐん)」という。 これは琉球大学農学部の比嘉照夫教授により開発された微生物資材。 そして このEMの技術を推進しているのが 「EM研究機構」という会社。 これも一種の大学発ベンチャー企業といえるだろう。

ではこの「EM」とは 一体 何なのか、という点について 「EM研究機構」の 「EMとは ?」のページから その説明を引用させていただくと、
通常、微生物は単一種類で扱われるのが普通ですが、 EMには嫌気、微好気の複数の微生物が、 基質を交換しあいながら共存しています。 そのため、単一種類に較べ幅広い対象に有効で、 現場に使用した場合、多種の微生物がすぐに発酵の過程に進む事ができます。 この、複合共生の微生物資材という点が、EMの最大の特徴です。 使用されている微生物は、酵母菌や乳酸菌など、 食品加工に使われる安全で有用な種類ばかりで、 複数の機関がEMの安全性を確認しております。
とある。

チョットこれだけを読むと、 微生物の専門家でない私など 判ったような 判らないような 気になるが、 要は、従来 酵母菌 とか 乳酸菌 とか 一種類ずつ研究されていた微生物を 一緒に混合することにより、 単一の微生物では得られなかった新たな働きが得られる、 ということなのだろう。 そのために、どの微生物 と どの微生物 を どのように どのくらいづつ 混合したら、どのような働きが得られるのか。 というところが この EM技術の 根幹なのであろう。

EMについて私に教えてくださった 知り合いの方のお話によると、 比嘉教授が このEMの作用を発見したのは偶然だったそうだ。 EM技術発見前までの比嘉教授は 微生物について 一種類ずつ 研究されておられたそうだ。 ところが、部下の手違いで、 研究で使い終わった微生物を いくつかの種類混ぜ合わせて 廃棄してしまったそうだ。 ところが、廃棄していたところに生えてきた 植物がやたらと元気が良い。 それを疑問に思った比嘉教授は、その原因を追求していくと、 結論として、いくつかの微生物を混ぜ合わせることにより それぞれ一種類の微生物では実現できなかった新たな効果を 得ることができる、ということを突き止めたそうだ。 よく聞く話だが、偉大な発見は 単なる偶然から生まれてくることが多い。

【参考リンク】

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