最近、「USBグラフィック・アダプタ」について
研究してきているが、いろいろ調べてみると、
どうも、その製品のほとんどが、
「
DisplayLink 」
という会社のチップを使っているらしいことがわかった。
この手の「USBグラフィック・アダプタ」で問題となるのが、
USBのバスのスピードだ。
USB 2.0 が いくら高速になったといっても、そのスピードは、480Mbit/秒。
バイトに直すと、60MB/秒 となる。
これは、グラフィックの表示には力不足とされるPCIバスでさえも 133MB/秒 あるのに対し、
USB 2.0 は、その半分以下の転送レートとしかないことになる。
これでは、最近の動画のような高速を要するグラフィックを
実用に耐えうるレスポンスで表示するのは不可能だ。
この問題点を解決したのが、DisplayLink社の技術だ。
PCの内部から、USBへグラフィックのデータを送り出す前に
特殊なデバイス・ドライバでデータの圧縮を行ってから送り出す。
ここまではソフトウェアの技術。
一方、USBバス上を送られてきたデータを、
受け取るUSBコントローラ、
圧縮されているデータの解凍、
抽出されたデータに従ったVRAMへの展開処理、
VRAMの値を基にVGA信号やDVI信号を生成。
以上の処理を1チップで実現している。
このように、両端でデータの圧縮と解凍を行うことにより、
USB 2.0 のバス・スピードの足りない分を補っている。
この件に関しては、ITmedia の
「
ぼくらは「USB-RGB」を誤解していたかもしれない」
にも解説がある。
実際に DisplayLink社からリリースされているのが
DL-120 と DL-160 という2種類のチップ。
これらのチップの違いは、
DL-120 の方が、対象が一般向けということで、
解像度が、SXGA (1280 x 1024)、SXGA+ (1400 x 1050) までとなっている。
一方、DL-160 の方が、パフォーマンス・ユーザー向けということで、
解像度が、UXGA (1600 x 1200)、WSXGA+ (1680 x 1050) までとなっている。
また、これらのチップは低消費電力なので、小さいLCDディスプレイと共に実装すれば、
USBからのバス・パワーだけで USBディスプレイとして
動作することが可能である。
これらのチップを利用して
市場にリリースされている製品の一覧が、DisplayLink社の
「
where to buy」
ページにまとめてある。
ここには、先日のブログ
「USB グラフィック・アダプタ」で紹介した製品の多くが
リストされている。
その他、USB接続機能を内蔵したLCDディスプレイ や
USBポート・リプリケーター、USBドッキング・ステーション等もある。
この DisplayLink の本社は やはり シリコンバレー(Silicon Valley)。
住所をみると、Palo Alto の California Ave となっている。
その他、米国内ではシアトル、イギリス、台湾にオフィスがある。
【参考リンク】
カテゴリー:
企業研究
2007年7月 3日 22:29
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