日本とアメリカの間で行き来していたり、
引越ししたりしていると 現行の家電製品は使えるのか、
という疑問が湧いてくる。
そこで今回は、FMラジオについて、
「日本のFMラジオはアメリカで使えるのか?」
反対に
「アメリカのFMラジオは日本で使えるのか?」
という疑問について、日本とアメリカの
両国の電波の周波数の観点から調査してみる。
結論から言うと、FMラジオに関して言うと、
日本とアメリカとでは周波数バンドが微妙に異なっている。
では どう微妙に異なっているのか具体的にみてみよう。
まず、日本のFMラジオ放送用の周波数は、
総務省の
「電波利用ホームページ」周波数の割当て・公開
にある
30MHz〜335.4MHz
のpdfの図を見てみると
76MHz 〜 90MHz となっている。
ちなみに 日本の現行のアナログのテレビの 1ch 〜 3ch は
90MHz 〜 108MHz となっている。
ちょっと 話が脱線するが、
現在のアナログのテレビチャンネルでは
1つのチャンネルの中で映像と音声が別々に電波に載せられている。
そして 音声は FM変調という FM放送と同じ方式で音声を電波に載せている。
と言うことは、テレビの 1ch 〜 3ch の音声がFM放送と同じ方式で、
かつ、周波数も FM放送の周波数のバンドと隣り合っているのであれば、
FMラジオをチョット改造して すこしだけ高い周波数を受信できるようにすると
テレビの音も簡単に聞けそうなものである。
素人でもそう考えるわけだから、もちろん、ラジオのメーカーさんもそれは考えている。
だから最近、日本国内で販売されている ほとんどのFMラジオでは
テレビの 1ch 〜 3ch も受信できる機能がついてきている。
つまり周波数でいうと、76MHz 〜 108MHz までが 受信可能となっている。
もうひとつオマケで、
では、テレビの4ch以上のチャンネルはどうか、というと、
上記の総務省の電波利用ホームページの
30MHz〜335.4MHz
の図によると、
テレビの 4ch〜12ch の周波数は 170Mhz〜222MHz となっている。
3ch と 4ch は たかが1チャンネルの違いではあるのだが、
周波数的に言うと 不連続であり、かつ 非常に離れている。
だから、日本のラジオでも
テレビの 4ch〜12ch が受信できるものは少ないし、
もし その機能がついていたとしても
通常のFM放送の周波数バンドとは
完全に別の周波数バンドとなるので、
その分ラジオ本体の値段が高くなってしまう。
では、アメリカのFM放送の周波数バンドは、というと、
ARRLの
「
TV Channel, CATV and FM Broadcast Frequencies」
や
「
FCC Frequency Allocations」
の表を参考にすると、
88MHz 〜 108MHz となっている。
結論としては、
アメリカと日本のFMラジオ・バンドの周波数で
実際に重なっているのは 88MHz 〜 90MHz までの 2MHzである。
しかしながら、最近、日本で販売されている テレビの 1ch 〜 3ch まで対応しているFMラジオであれば、
76MHz 〜 108MHz の範囲が受信可能なので、アメリカのFMバンドである 88MHz 〜 108MHz
を全てをカバーしていることになり、
問題なく利用できる。
反対に、アメリカ仕様のFMラジオでは、76MHz 〜 88MHz の 12MHzが受信不可能となってしまう。
【参考リンク】
カテゴリー:
Audio-Visual
2007年4月25日 22:51
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