石井裕之氏の著作
『
「心のブレーキ」の外し方~仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー』
の第4章「迷ったときに役立つ“たったひとつの言葉”」についての考察。
まず、潜在意識の重要な特徴として
「意識が、考えるのをとっくにやめてしまった後も、
潜在意識は、ずっと答えを求め続ける」
とある。そして
「意識と違って潜在意識は、答えが見つかるまで、決してストップしない」
ということが紹介されている。
この潜在意識の特徴を踏まえた上で、
「決して答えが出ない質問を潜在意識に投げかけたら、一体、どうなってしまうのか?」
ということを考えてみる。
潜在意識には、事の善悪、重要性、優先順位などの概念がないので、
くだらない無意味な質問や答えが出ない質問に対しても、
一生懸命にその答えを探し続けようとする。
そのような質問が増えてくると、さすがの潜在意識も疲れ果ててしまう。
その結果、本来 潜在意識の能力を発揮すべき有意義な活動に対して
エネルギーを割けなくなってしまう。
これが、ヤル気のでない人の典型的なパターンだ。
この原因は、そのヤル気が出ない人が使っている言葉にある。
例えば、「どうして僕は、何をやってもダメなんでしょうか?」
といったことを意識で考えてしまう。これは答えの出ない質問である。
しかし、潜在意識は この質問の答えを休む暇もなく一生懸命に探しつづけ、
エネルギーを無駄に浪費してしまう。
この問題の解決策は、「答えの出る質問をすること」。
先ほどの質問なら、
「僕には、何ならちゃんとできるでしょうか?」という質問に変えてみる。
これなら、いくつも答えが見つかる。
答えが見つかったところで、潜在意識は答え探しをやめることができる。
このように、顕在意識で考える言葉をポジティブな言葉に変えて、
答えがみつかる質問にすることで潜在意識は無駄な検索をする必要がなくなり、
その分のエネルギーをもっと重要な働きに振り向けることができるようになる。
また別の観点からも同じような問題が起こることがある。
人生、生きていると いろいろなチャンスが巡ってくる。
これには もちろん失敗のリスクもある。
さて、このチャンスに対して「Yes」と言うか「No」と言うか。
リスクを恐れて「No」と言った場合、次の瞬間から
「もし、Yesと言っていたら、大成功していたかもしれないぞ」
という思い(答えのない疑問)が
潜在意識の中で働き続けることになってしまう。
反対に、「Yes」と言って、その結果、大失敗をしてしまい
後悔することになるかもしれない。
しかし、潜在意識からすると、
「それは失敗だった」という明らかな結果が出ているので、
その後、答えのない疑問を探す 無駄なエネルギーの浪費を
する必要がない。この方が はるかに生産的である。
ということで石井氏のお薦めは、迷ったら「Yes」と言うこと。
「やってれば、成功したかもしれない」という甘い幻想に
潜在意識のリソースを浪費するくらいなら、
むしろチャレンジして堂々と苦い失敗に直面したほうがよい。
と石井氏は結論づけている。
【参考リンク】
カテゴリー:
石井裕之
2007年4月 1日 22:02
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