今回のフォーラムの内容は、「抗癌剤」について。
「いい抗癌剤」の定義が
それぞれのおかれた立場
(大学研究者、企業研究者、臨床医、癌患者、起業家、投資家、等)で変わるのではないか、
という観点から、それぞれの立場のパネリストに「抗癌剤」について語っていただいた。
パネリストの中には、スカイプで遠方から参加される方もおられ、
音響のセッティングがチョット大変だった。
いろいろな意見が、それぞれの立場から述べられたが、
その中でも印象に残ったやりとりがあった。
癌患者からの意見として あるケースでは、
抗癌剤を投入しても、延命する確率が統計上4ヶ月であった。
もちろん その薬を投入することにより強い副作用も起こるし、
その分の費用もかかる。
経済的にも肉体的にも苦しい思いをして、
生き延びられるのは「たった4ヶ月」しかない。
これが、癌患者からの率直な意見。
一方、薬を作る立場から。
少しでも役に立つ薬を開発するために、
一流の研究者がチームを組み、
広い砂浜の中から一粒のダイヤモンドを探し出すような
研究を日夜続けているわけである。
それだけの研究をしても成果が出てくる保証はないのである。
ということで上記の「延命4ヶ月」の件にしても、
創薬研究者の立場からすると
「4ヶ月も」延命できる薬が開発できたということは
モノ凄い成果なのである。
このように「延命4ヶ月」という一つの例をとってみても、
立場がかわると見方もかわる、という確かな証拠となった。
また、残念なことに 今までずっとJBCにご協力いただいていた
丸紅の松原弘行さんが、この3月をもって東京に異動することとなり、
これがこちらでの最後のJBCフォーラムとなった。
松原さんには私も個人的にいろいろとお世話になってきた。
非常に残念なことにではあるが
松原さんが今後もご活躍されることを期待したい。
カテゴリー:
JBC/LSJ
22:16
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