バイオの世界では「EM」というモノが流行っているらしい。
当初は農業分野での土壌改良材だったのが
今日では、化粧品、健康飲料や健康食品から
環境浄化にまで幅広く使われるようになってきている。
この「EM」とは
英語の「Effective Microorganisms (エフェクティブ・マイクロオーガニズムス)」の頭文字
であり、日本語では「有用微生物群(ゆうようびせいぶつぐん)」という。
これは琉球大学農学部の比嘉照夫教授により開発された微生物資材。
そして このEMの技術を推進しているのが
「
EM研究機構」という会社。
これも一種の大学発ベンチャー企業といえるだろう。
ではこの「EM」とは 一体 何なのか、という点について
「
EM研究機構」の
「
EMとは ?」のページから
その説明を引用させていただくと、
通常、微生物は単一種類で扱われるのが普通ですが、
EMには嫌気、微好気の複数の微生物が、
基質を交換しあいながら共存しています。
そのため、単一種類に較べ幅広い対象に有効で、
現場に使用した場合、多種の微生物がすぐに発酵の過程に進む事ができます。
この、複合共生の微生物資材という点が、EMの最大の特徴です。
使用されている微生物は、酵母菌や乳酸菌など、
食品加工に使われる安全で有用な種類ばかりで、
複数の機関がEMの安全性を確認しております。
とある。
チョットこれだけを読むと、
微生物の専門家でない私など
判ったような 判らないような 気になるが、
要は、従来 酵母菌 とか 乳酸菌 とか
一種類ずつ研究されていた微生物を
一緒に混合することにより、
単一の微生物では得られなかった新たな働きが得られる、
ということなのだろう。
そのために、どの微生物 と どの微生物 を
どのように どのくらいづつ 混合したら、どのような働きが得られるのか。
というところが この EM技術の 根幹なのであろう。
EMについて私に教えてくださった
知り合いの方のお話によると、
比嘉教授が このEMの作用を発見したのは偶然だったそうだ。
EM技術発見前までの比嘉教授は
微生物について 一種類ずつ 研究されておられたそうだ。
ところが、部下の手違いで、
研究で使い終わった微生物を いくつかの種類混ぜ合わせて
廃棄してしまったそうだ。
ところが、廃棄していたところに生えてきた
植物がやたらと元気が良い。
それを疑問に思った比嘉教授は、その原因を追求していくと、
結論として、いくつかの微生物を混ぜ合わせることにより
それぞれ一種類の微生物では実現できなかった新たな効果を
得ることができる、ということを突き止めたそうだ。
よく聞く話だが、偉大な発見は
単なる偶然から生まれてくることが多い。
【参考リンク】
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BIO
22:05
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