私は「化学」は 全く得意ではないのだが、
バッテリー(鉛蓄電池)のしくみについて調査していると
どうしても 化学式が出てきてしまうので、
このブログでは その辺についてのお勉強。
さて 英単語の「lead」と言うと 通常は「導く」という意味だが、
もう一つ意味がある。
ここで話題としている鉛蓄電池の主原料である
元素記号「Pb」の「鉛(なまり)」のこと。
ちなみに「鉛」を表す「lead」の場合、
「導く」という動詞「lead」の過去形・過去分詞の「led」と同じ発音となる。
この辺がややこしい。
次に お勉強しないといけない言葉が「sulfate(サルフェート)」。
「sulfate(サルフェート)」とは化学の時間に出てきた「硫酸イオン」「硫酸塩」のこと。
化学式の「SO
4」となるところ。
例えば「calcium sulfate」は「硫酸カルシウム (CaSO
4) 」ちなみに これは「 石膏(せっこう)」のこと。
「magnesium sulfate」は「硫酸マグネシウム (MgSO
4) 」と言うぐあい。
ということで、バッテリー(鉛蓄電池) の内部で起こる化学変化で出てくる
「硫酸鉛 (PbSO
4)」は 英語で「lead sulfate」 と言う。
ここで、鉛バッテリーの内部で起こっている化学変化をまとめみる。
|
+電極 |
−電極 |
放電 |
PbO2 + H2SO4 → PbSO4 + H2O |
Pb + H2SO4 → PbSO4 + H2O |
充電 |
PbSO4 + H2O → PbO2 + H2SO4 |
PbSO4 + H2O → Pb + H2SO4 |
この化学変化は完全に可逆変化なので、このままでは
バッテリーの寿命は半永久的に思えてしまう。
しかし実際、バッテリーは2〜3年で寿命となってしまう。
ではその劣化の原因は何なのか。
上記表の「放電」の行を見てみると、
+電極側 でも −電極側 でも 先ほどの「硫酸鉛 (PbSO
4)」、
英語で言うところの「lead sulfate」が できているのがわかる。
鉛蓄電池を放電した状態で放置すると、
この硫酸鉛が、電極版表面で白くて硬い結晶となってしまう。
このことを「サルフェーション(Sulfation)」、または「白色硫酸鉛化」という言う。
この電極の表面で結晶と化した硫酸鉛により 電極の表面積が低下する。
また、硫酸鉛の結晶は電気を通さないし、さらに、
一度できてしまった硫酸鉛の結晶はなかなか溶け出してゆかない。
結果的に、電極がどんどん小さくなっているのと同じことになり、
それに従いバッテリーの性能も どんどん下がっていってしまう。
ということで、この「サルフェーション(Sulfation)」が、
鉛バッテリーが劣化してゆく大きな原因なのである。
【参考リンク】
カテゴリー:
バッテリー
22:43
| コメント (0)
| トラックバック (0)