次世代のデジタル・テレビの開発者
廣島直己氏のギークサロンが開催された。
サロン前半は、廣島氏の今までの経歴について。
ギークサロンで講師をされる方 皆さんそうであるが、廣島氏もすごい経歴である。
たとえば、JWNTUG(Japan Windows NT Users Group)の初代シスオペをなさっていたそうである。
前半が終わったところで、すでに時間がだいぶ経っていた。
ギークサロンお決まりのごとく、長丁場になりそうな雰囲気だった。
サロン後半として、本題である デジタルTVとして
如何にしてデジタル画像情報を通信パケットに乗せているのか、
そのフォーマットの詳細について詳しく解説された。
中でも 面白かった というか、自分に直接関係する内容だったのが
シリコンバレーの主要なケーブルテレビ局である
comcast のデジタル・テレビ放送の画像品質がなぜ悪いのか
ということについての解説だった。
その理由について私なりに理解したことを以下に簡単にまとめてみる。
現在のところ、comcastは アナログ放送からデジタル放送への移行期にある。
ということは、アナログ放送もデジタル放送も両方とも 放送しなければならない。
アナログ放送受信契約者が1軒でもある限り(少なくとも我が家はcomcastのアナログ放送です)、
従来のアナログ放送を止めるわけにはいかない。
ところが、アナログ放送の場合、基本的に1チャンネル1放送となっており、
現在 放送されているアナログのチャンネルもそれなりに多いので、
非常に広い帯域をアナログで占領していることになる。
そのため デジタル放送に割り当てられる未使用チャンネルは非常に少ない状態である。
comcastとしては、できるだけ早く全面的にデジタル放送に移行したいので、
ケーブルテレビ契約者にはデジタル放送への加入・移行を押し進めているのだが、
「アナログからデジタルに変更したら 見られるチャンネルが少なくなった」
というのでは話にならない。
デジタル放送は、データの圧縮を行うことにより
アナログの1チャンネルの帯域に多数のデジタル放送を流すことが可能である。
そこで、comcastは 苦しまぎれに
ギリギリまで圧縮をかけて、残されたわずかな帯域に多数のデジタル放送を押し込んでいる。
この場合、もちろん 高い(ムリな)圧縮をかけると 画像の品質が どんどん 下がることになる。
これが、現在 comcastのデジタル放送の画質が悪い原因だそうだ。
もちろん、アナログからデジタルへの完全移行が完了したら、
問題は解決するのであろうが、それはしばらく先の話であろう。
我が家の場合、今のところアナログ放送で何の不自由もないし、
このような業界ウラ話を聞いてしまうと、
最後の1軒になるまでアナログ放送契約を続けることになりそうだ。
【参考リンク】
カテゴリー:
JTPA
22:35
| コメント (1)
| トラックバック (0)