JBCフォーラムが 豪華2本立てで、
しかも場所は今回初めての開催場所として
フォスターシティー(Foster City) の コミュニティーセンターで行われた。
今回のJBCフォーラムは以下のような豪華2本立て。
- 制度改革のための医療経済学セミナー
- 米国アカデミア Job Huntingの表と裏
ひとつ目の「制度改革のための医療経済学セミナー」は、
最近「
「改革」のための医療経済学
」を出版された 兪(ユウ) 炳匡 氏。
この本のスゴイところは、忙しい読者のためにいきなり総括から始まること。
今回のセミナーでもこの本の手順に従い、いきなり総括となった。
その部分の要約をチョットだけご紹介させていただくと
- 医療費高騰への対応策
- 「小物格の犯人」を追い回しても政策上のメリットは軽微
- 高齢化、医療保険の普及、医師数、国民所得の増大はいずれも小物
- 医療費上昇率の半分ないしそれ以上も寄与する最大の黒幕(要因)は?
- 政策の形成・選択は「理念」の選択
- 正解の存在しない「理念」に関わる問題への答を事前に明らかにする
- 例-1 最低限の医療は政府が保証すべきか
- 例-2 政府が最低限の医療を保証すべきなら、政府支出のどの程度を医療に割くべきか
- 例-3 コスト削減の手段の選択
- 改革案:国際的・普遍的な失敗例
- 医療保険制度における民間営利企業の役割拡大
- 医療機関への民間営利企業の参入
- 医療機関への診療報酬の一律引き下げ
- 患者の窓口負担増
ということ。
特に、政府の財政負担を削減するためには、
予防医療をやめる
→ 喫煙を奨励(税収が見込める)
→ 病気にかかり早死にすると長期的には総医療費は節約できる
→ 早死にした人々への年金を節約できる
→ 財政負担を一層削減できる
→ タバコを吸って財政赤字を削減しよう
となる。このように医療経済学の見地からすると、
人は早く病気に掛かって死んでくれた方が経済的だ、という結論のようだ。
ところが、これでは医療とは呼べなくなってしまうので、
そこんとこをどうするかが問題のようだ。
詳しくは、兪(ユウ) 氏の著作「
「改革」のための医療経済学
」をご購入ください。
2つ目の「米国アカデミア Job Huntingの表と裏」については、
今までのスタンフォード大学でポスドクから、
このたび インデアナ大学(Indiana University School of Medicine)の
に Assistant Professor にご就任される 高木雄一郎さん。
今回のセミナーでは、高木さんの今までのご経験をお話いただいたが、
その中でもポスドク期間において如何に時間が足りないかをアピールされていた。
例えば、ポスドク3年間で、Assistant Professor を目指す場合、
Assistant Professorを選考には通常約1年前から審査が行われる。
そのためには、その時点で、論文が発表されていなければならない。
論文を発表するためには、最低でもその半年前には、
実験を終了し、成果をまとめておかなければならない。
すると、実際の研究に使える時間は1年半しかない。
特に、日本からポスドクとしてアメリカに来た場合、
慣れてない環境の中、1年半で研究成果を出すことは並大抵のことではない。
どの業界でも、第一線を目指す道は厳しいということのようだ。
【参考リンク】
カテゴリー:
JBC/LSJ
2006年9月 1日 22:58
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