「第3回鹿児島大学シリコンバレー研修ツアー 訪問先紹介シリーズ」。
数あるカリフォルニア大学のキャンパスの中でも、
今回のツアーで訪問予定の「カリフォルニア大学バークレー校(UCB)」について。
カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley) というくらいなので、
このキャンパスの所在地はバークレー(Berkeley)という町にある。
場所的に言うと、サンフランシスコからサンフランシスコ湾を隔てた東側にあって
ベイ・ブリッジを渡って、そこから北に 3マイル程のところ。
シリコンバレー(サンノゼ周辺)からは車で 1時間から1時間半くらい 北になる。
スタンフォード大学のメイン・キャンパスが ほぼフラットなのに対して、
こちらUCBは なだらかな斜面にキャンパスが広がっている。
だから、キャンパス内での移動は 歩く方向によって チョット大変だったりする。
キャンパスを訪れる際には、
UCB Campas Map ページにある
pdfファイルの地図を印刷して持って行った方が便利。
カリフォルニア大学の本部でもある UCB は、
学部生、院生の総数が3万人を超える巨大な大学である。
ここは「世界で最も優れた公立大学」と呼ばれるほどの名門大学であり、
ノーベル賞受賞者も多数 輩出している。
近くにある(車で行ける距離という意味で)スタンフォード大学とは
お互い ライバル意識がかなり強く、学術面はもちろん、スポーツの面でも
いつも張り合っている。
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鹿児島大学シリコンバレーツアー
22:05
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JBCフォーラムが 豪華2本立てで、
しかも場所は今回初めての開催場所として
フォスターシティー(Foster City) の コミュニティーセンターで行われた。
今回のJBCフォーラムは以下のような豪華2本立て。
- 制度改革のための医療経済学セミナー
- 米国アカデミア Job Huntingの表と裏
ひとつ目の「制度改革のための医療経済学セミナー」は、
最近「
「改革」のための医療経済学
」を出版された 兪(ユウ) 炳匡 氏。
この本のスゴイところは、忙しい読者のためにいきなり総括から始まること。
今回のセミナーでもこの本の手順に従い、いきなり総括となった。
その部分の要約をチョットだけご紹介させていただくと
- 医療費高騰への対応策
- 「小物格の犯人」を追い回しても政策上のメリットは軽微
- 高齢化、医療保険の普及、医師数、国民所得の増大はいずれも小物
- 医療費上昇率の半分ないしそれ以上も寄与する最大の黒幕(要因)は?
- 政策の形成・選択は「理念」の選択
- 正解の存在しない「理念」に関わる問題への答を事前に明らかにする
- 例-1 最低限の医療は政府が保証すべきか
- 例-2 政府が最低限の医療を保証すべきなら、政府支出のどの程度を医療に割くべきか
- 例-3 コスト削減の手段の選択
- 改革案:国際的・普遍的な失敗例
- 医療保険制度における民間営利企業の役割拡大
- 医療機関への民間営利企業の参入
- 医療機関への診療報酬の一律引き下げ
- 患者の窓口負担増
ということ。
特に、政府の財政負担を削減するためには、
予防医療をやめる
→ 喫煙を奨励(税収が見込める)
→ 病気にかかり早死にすると長期的には総医療費は節約できる
→ 早死にした人々への年金を節約できる
→ 財政負担を一層削減できる
→ タバコを吸って財政赤字を削減しよう
となる。このように医療経済学の見地からすると、
人は早く病気に掛かって死んでくれた方が経済的だ、という結論のようだ。
ところが、これでは医療とは呼べなくなってしまうので、
そこんとこをどうするかが問題のようだ。
詳しくは、兪(ユウ) 氏の著作「
「改革」のための医療経済学
」をご購入ください。
2つ目の「米国アカデミア Job Huntingの表と裏」については、
今までのスタンフォード大学でポスドクから、
このたび インデアナ大学(Indiana University School of Medicine)の
に Assistant Professor にご就任される 高木雄一郎さん。
今回のセミナーでは、高木さんの今までのご経験をお話いただいたが、
その中でもポスドク期間において如何に時間が足りないかをアピールされていた。
例えば、ポスドク3年間で、Assistant Professor を目指す場合、
Assistant Professorを選考には通常約1年前から審査が行われる。
そのためには、その時点で、論文が発表されていなければならない。
論文を発表するためには、最低でもその半年前には、
実験を終了し、成果をまとめておかなければならない。
すると、実際の研究に使える時間は1年半しかない。
特に、日本からポスドクとしてアメリカに来た場合、
慣れてない環境の中、1年半で研究成果を出すことは並大抵のことではない。
どの業界でも、第一線を目指す道は厳しいということのようだ。
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JBC/LSJ
22:58
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「第3回鹿児島大学シリコンバレー研修ツアー 訪問先紹介シリーズ」
今まで、スタンフォード大学ネタが続いたので、これからは
カリフォルニア大学について。
日本の感覚で、例えば 鹿児島大学 というと、
鹿児島県にある国立大学で それはそれでひとつの総合大学となっており、
キャンパスが学部や学科により離れていることはあっても
全体としてひとつの大学となっている。
一方、カリフォルニア大学(University of California:UC)は、
カリフォルニア州内に10箇所のキャンバスがあり、
一部の例外を除き、それぞれのキャンパスがそれぞれ総合大学となっている。
全体をあわせると、学生数が 20万8千人以上。
教職員・スタッフが 12万1千人以上という巨大な規模だ。
数あるキャンパスの中でも
日本人にとっての知名度という点からは「UCLA」でおなじみの
「
カリフォルニア大学ロサンゼルス校」が最も有名であろう。
また、青色発光ダイオードの発明された 中村修二 教授は現在
「
カリフォルニア大学サンタバーバラ校 (UCSB) 」
におられる。
カリフォルニア大学の10箇所のキャンバスは以下のとおり。
- カリフォルニア大学バークレー校
(University of California, Berkeley)
- カリフォルニア大学デービス校
(University of California, Davis)
- カリフォルニア大学アーバイン校
(University of California, Irvine)
- カリフォルニア大学ロサンゼルス校
(University of California, Los Angeles)
- カリフォルニア大学マーセド校
(University of California, Merced)
- カリフォルニア大学リヴァーサイド校
(University of California, Riverside)
- カリフォルニア大学サンディエゴ校
(University of California, San Diego)
- カリフォルニア大学サンフランシスコ校
(University of California, San Francisco)
- カリフォルニア大学サンタバーバラ校
(University of California, Santa Barbara)
- カリフォルニア大学サンタクルーズ校
(University of California, Santa Cruz)
今回の 第3回鹿児島大学シリコンバレー研修ツアー では、
上記のうち
カリフォルニア大学バークレー校(UCB) を訪問する予定としている。
また、サンフランシスコ市内の移動中に
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)
の周辺を通ることになるであろう。
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鹿児島大学シリコンバレーツアー
22:59
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鹿児島大学が 第1回 「日米未来フォーラム」を開催するにあたり、
在サンフランシスコ日本国総領事館 にご後援いただけるように
ご挨拶ならびに今回のフォーラムの趣旨説明に伺った。
今度の第3回鹿児島大学シリコンバレーツアーの最終日にあたる
9月15日に 鹿児島大学シリコンバレーオフィス主催で
第1回 「日米未来フォーラム」を開催することが決まった。
今回のフォーラムでは、
鹿児島からの米国移住50周年を記念して
鹿児島からの移民の先輩方にお集まりいただき、
日本の次の時代を担う世代のために、
そして日本とアメリカの新しい関係を考え行動することを目的として
議論するパネル・ディスカッションを企画している。
並びに、シリコンバレーツアーを終えた学生諸君から、
今回のツアーで 何を体験し、何を学び、何を感じたか、
について発表してもらうという目的もある。
この「日米未来フォーラム」を開催するにあたり、
在サンフランシスコ日本国総領事館に ご後援いただけるように
お願いしていたのだが、
山中総領事の方からフォーラムについて
直々に説明を受けたいということだったので
この日、井手所長と領事館をご訪問させていいただいた次第だ。
総領事室にて山中総領事に
この日米未来フォーラムを開催するに至った経緯や
趣旨や目的をご説明させていただき、
領事館としてご後援いただくことに関して快くお引き受けいただいた。
しかし、山中総領事のフォーラムへのご出席に関しては
総領事のスケジュールが微妙なので、
ご出席いただけるかどうかは後日、ご連絡いただくこととなった。
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鹿児島大学シリコンバレーオフィス
22:37
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昨日のブログでふれた、「渦」の研究について講演会での
「レオナルド・ダビンチが残した文献の写真が逆さまではないか」
という謎の解明について。
昨日のブログでふれた
「渦」の研究に関する歴史において
最も古い文献はレオナルド・ダビンチが残したものだそうであるが、
その資料の写真が左右逆さまではないか、という指摘があった。
結局、その場では誰もその真相がわからなかった。
その後、別の方より「レオナルド・ダビンチは鏡文字を書いていた」という情報をいただいた。
ことの真偽を確かめるために、インターネット上で検索してみると、
ウィキペディア
の
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
のページに それに関する記述が見つかった。
少し長いが、その部分を引用させていただくと
レオナルドが残した膨大なノートは、19〜20世紀になって科学技術の分野での先駆的な研究を物語るものとして注目を集めてきた。
それらは13,000ページに及ぶノートに芸術的な図とともに記録が残されている。
殆どは左手でペンを持ち、鏡文字で記述されている。
彼が鏡文字を用いたのは、左手でペンを持ったときにペンを押しながら書くよりも引きながら書くほうが楽であったため、以後鏡文字を使うことに決めたからともいわれる。
また、これには諸説あり、後に印刷しやすくするためともある。
また、当時の大衆的な考え方からすれば、科学=異端という考え方があったため、それよって教会からの批判や弾圧を避けるためという見方もある。
一方で先天的に鏡文字を書く症例も存在しており、結論は出ていない。
とある。
このことからすると、
昨日見た レオナルド・ダビンチが残した文献の写真も、鏡文字で記述されたもので、
そのため、左右逆さまにみえたのであろうと考えるとすべてが納得できる。
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JUNBA
22:31
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大学間連絡会議が大阪大学サンフランシスコ教育研究センター共同会議室で行われた。
また、大阪大学基礎工学研究科教授 河原源太 先生による
「渦運動ーその乱流現象における役割」という講演も同時に開催された。
「渦」といえば、
流し台に流れてゆく水も「渦」を巻くし、「鳴門の渦」も「渦」である。
また飛行機の運行にも影響を与える乱気流も「渦」の一種であるし、
そして大きなところでは 台風も「渦」である。
このように、「渦」は、私達の生活に密着した身近な存在ではあるが、
そのメカニズムの解明は非常に困難であり、
古典物理学の中で20世紀の内に解明されなかた唯一の研究分野だそうである。
但し、近年のコンピュータの発達で、
渦のシュミレーションがより現実に近づいてきているそうである。
もし渦の発生や成長、消滅に関する正確なメカニズムが解明されれば、
台風の発生を抑えたりすることも可能となるかもしれない。
それでも、それが現実となるのは まだまだ遠い道のりのようだ。
ご講演では「渦」の研究に関する歴史にも触れられたが、
現在のところ、「渦」について残っている最も古い研究は
レオナルド・ダビンチが残した文献だそうだ。
河原先生はその資料の写真をプレゼンで紹介されておられたのだが、
その際、会場から
「その写真は逆さまではないのか」というご指摘があった。
その写真は、レオナルド・ダビンチによる手書きのスケッチと文章による解説のようなのであるが、
確かに 説明の文章の各行は右側が揃っていた。
通常のヨーロッパ系の言語では文章の左側が揃えられるのが普通であることからすると
その写真は逆さまになっているように見える。
この件については、河原先生も
参考文献からそのまま引用した、ということだった。
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JUNBA
22:09
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「第3回鹿児島大学シリコンバレー研修ツアー 訪問先紹介シリーズ」
今回はスタンフォード大学の物理学研究を支える巨大施設
「スタンフォード・リニア・アクセラレーター・センター (SLAC: Stanford Linear Accelerator Center)」について。
まず、「加速器(かそくき)」とは、
荷電粒子を加速する装置の総称である。
原子核・素粒子の実験に用いられるほか癌治療などにも応用される。
と、
ウィキペディアの「加速器」
のページにあるが、私は専門ではないので、詳しくはそちらのページを参考されたし。
この「スタンフォード・リニア・アクセラレーター・センター」は、
「Stanford Linear Accelerator Center」の頭文字をとって、
通常「SLAC(スラック)」と呼ばれている。
日本の文献などでは、「スタンフォード線形加速器センター」と表記されている場合もある。
このSLAC、さすがに巨大施設だけあって、
スタンフォード大学のメインのキャンパスからは車で10分くらい離れている。
といっても、同じスタンフォードの敷地内ではあるのだが。
施設の入り口は、ベンチャーキャピタルが集中していることで有名な
サンドヒル・ロード(Sand Hill Road) に面している。
この加速器は名前に「リニア(Linear)」 、
つまり「直線」とか「線形」という意味の言葉が使われているとおり、
長く まっすぐな 建物が南の方に伸びていて、
その長さは2マイルというから、3Km以上もある。
その建物が、ハイウェー280号線の下を貫通している。
空中交差しているわけだから、
逆にハイウェー280号線を車で走っている際に、
SLACの建物を見ることができるハズなのだがこれが結構難しい。
理由は、SLACの建物は谷間に埋まっており、
ハイウェーを車で時速65マイル(約105Km)の速度で走っていると、
その谷間を一瞬にして通り過ぎてしまうからだ。
加えて、ハイウェーを走っていても事前に標識があるわけでもないので
よほど周辺の地形を頭に入れておかない限り、
ハイウェー280号線上からSLACを見ることはできない。
私も最近、何度も失敗を繰り返した結果、
やっと、ハイウェー280号線上からSLACを認識できるようになった。
SLACの施設内を見学することは可能であるが、事前に予約が必要。
その長い建物の中央には見学用の場所があり、建物の中に入れてもらえる。
そこから どちらを見てもあまりにも遠くて先が見えない。
加速粒子を実際に通すパイプは地下に埋まっており、
地上にはその粒子を加速するための電気的設備が延々と並んでいるわけだ。
このSLACは優秀な研究成果を上げており、
例えば昨年、鹿児島大学シリコンバレーオフィスのオープニング・セレモニーでもご挨拶いただいた
リチャード・テーラー(Richard Taylor)教授は
このSLACでのご研究でノーベル賞を受賞されている。
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鹿児島大学シリコンバレーツアー
22:32
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