「第3回鹿児島大学シリコンバレー研修ツアー 訪問先紹介シリーズ」
今回はスタンフォード大学の物理学研究を支える巨大施設
「スタンフォード・リニア・アクセラレーター・センター (SLAC: Stanford Linear Accelerator Center)」について。
まず、「加速器(かそくき)」とは、
荷電粒子を加速する装置の総称である。
原子核・素粒子の実験に用いられるほか癌治療などにも応用される。
と、
ウィキペディアの「加速器」
のページにあるが、私は専門ではないので、詳しくはそちらのページを参考されたし。
この「スタンフォード・リニア・アクセラレーター・センター」は、
「Stanford Linear Accelerator Center」の頭文字をとって、
通常「SLAC(スラック)」と呼ばれている。
日本の文献などでは、「スタンフォード線形加速器センター」と表記されている場合もある。
このSLAC、さすがに巨大施設だけあって、
スタンフォード大学のメインのキャンパスからは車で10分くらい離れている。
といっても、同じスタンフォードの敷地内ではあるのだが。
施設の入り口は、ベンチャーキャピタルが集中していることで有名な
サンドヒル・ロード(Sand Hill Road) に面している。
この加速器は名前に「リニア(Linear)」 、
つまり「直線」とか「線形」という意味の言葉が使われているとおり、
長く まっすぐな 建物が南の方に伸びていて、
その長さは2マイルというから、3Km以上もある。
その建物が、ハイウェー280号線の下を貫通している。
空中交差しているわけだから、
逆にハイウェー280号線を車で走っている際に、
SLACの建物を見ることができるハズなのだがこれが結構難しい。
理由は、SLACの建物は谷間に埋まっており、
ハイウェーを車で時速65マイル(約105Km)の速度で走っていると、
その谷間を一瞬にして通り過ぎてしまうからだ。
加えて、ハイウェーを走っていても事前に標識があるわけでもないので
よほど周辺の地形を頭に入れておかない限り、
ハイウェー280号線上からSLACを見ることはできない。
私も最近、何度も失敗を繰り返した結果、
やっと、ハイウェー280号線上からSLACを認識できるようになった。
SLACの施設内を見学することは可能であるが、事前に予約が必要。
その長い建物の中央には見学用の場所があり、建物の中に入れてもらえる。
そこから どちらを見てもあまりにも遠くて先が見えない。
加速粒子を実際に通すパイプは地下に埋まっており、
地上にはその粒子を加速するための電気的設備が延々と並んでいるわけだ。
このSLACは優秀な研究成果を上げており、
例えば昨年、鹿児島大学シリコンバレーオフィスのオープニング・セレモニーでもご挨拶いただいた
リチャード・テーラー(Richard Taylor)教授は
このSLACでのご研究でノーベル賞を受賞されている。
【参考リンク】
カテゴリー:
鹿児島大学シリコンバレーツアー
2006年8月27日 22:32
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