車のエアコン・シリーズ。
以前のブログ「
カーエアコン 冷媒ガス 充填手順
」の中で、
車のエンジンを掛けた状態で 冷媒ガスを充填するように説明されているが、
その理由について考えてみる。
車のエアコンのシステムは
以前のブログ「
カーエアコンのしくみ
」
で挙げたようなディバイスがパイプでつながれて一周している。
だからエアコンが(正確にはコンプレッサーが)動作していない状態では、
パイプ内部ではどこも同じ圧力になるはずである。
ちなみに、以前のブログ「
カーエアコン 冷媒ガス 充填手順
」では「やらないように」と自分では書いているくせに、
エンジンを止めた状態で、つまり、エアコン・システムのパイブ内部の圧力が均一の場合の値を
自分の車(SUBARU Outback)で測ってみた。
使ったのは、
これまた以前のブログ「
エアコン・ガスの 圧力計付き充填ガン
」
で紹介させていただいた 圧力計。
その測定結果が 約70psi。
この値って、この圧力計での色分けではレッド・ゾーンである。
それだけ、高い圧力だ、ってこと。
だから危険ですので、皆さん、真似しないように。
さて、このままでは冷媒も循環しないので、
エアコンとして機能させ、実際に冷やすためには、
コンプレッサーが 圧力を掛けて
低圧側から高圧側へ、冷媒を強制的に送りこんでやる必要がある。
しかし、エアコン・システムはパイプで一周しているので
このままでは、冷媒がグルグル循環はするが、
圧力差は全くない状態になってしまう。
そのため、高圧側と低圧側を仕切って
圧力を調整する弁が必要になってくる。
その役目を果たしているのが「エキスパンションバルブ(膨張弁)」である。
冷媒ガスをエアコン・システム内へ充填する場合、
冷媒ガスのスプレー缶の内部圧力より、
充填先のパイプ内部の圧力が低くないと、
冷媒は流れ込んでゆかない。
もし、圧力差が逆向きなら、冷媒が逆流してしまって、
最悪の場合は、スプレー缶が破裂する可能性もある。
そのため、冷媒ガス充填時には、サービスポートの低圧側につなぎ、
コンプレッサーを常に回して、
つまり、コンプレッサーを回すためにはエンジンを掛けて、
できるだけサービスポートの部分を低圧にしなければならないわけだ。
以上のような理由により、冷媒ガスの充填の際は、
エンジンを掛けた状態で行わなければならない。
エンジンルームには ファンベルト等、いろんなものが回っているので、
手などを巻き込まれないように十分にご注意いただきたい。
【参考リンク】
カテゴリー:
エアコン
,
車
2006年7月10日 22:28
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