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2006年4月17日

2006年4月17日

ベイエリア大学間連絡会議 (20060417)

この日、午後3時より、 サンフランシスコ日本国総領事館 会議室にて ベイエリア大学間連絡会の例会が行われた。 また遺跡保存に関する第一人者である先生にもご講演いただいた。

大阪大学大学院工学研究科教授、また、 中国敦煌研究院名誉教授 でもあられる 谷本親伯(たにもとちかおさ)教授から 「世界遺産ー『敦煌莫高窟』の保存調査」と題した ご講演を賜った。 谷本教授はもともとはトンネル工学がご専門であったが、 岩盤等の研究から転じて、遺跡の発掘や保存についての研究も 行われるようになったそうである。

この講演の題目は『敦煌』と中国についての講演のはずであったが、 始めはエジプトについてのお話が続いた。 お話しによると、エジプトにあるスフィンクスの首は 1年で3〜5mm 崩れていっているそうである。 エジプトの学会では、このスフィンクスの首の崩壊を阻止するために 樹脂で固める方法が採決されそうになったところを、 谷本教授が大反対してやめさせたそうである。

谷本教授によると、日本の古墳の壁画もしかり、 保存と称し樹脂で固めるなど安易な方法を採っているが、 策を施した始めの数年は確かに問題はないが、 数十年のスパンで見ると、結果的には、以前以上に崩れてきたり、 カビに犯されたり、壁画の色が落ちたりする 結果となっているとのことであった。 もっと根本的な対策をとらないと これらの歴史的資産を保存することはできないらしい。

ちなみに、これらの歴史的資産を破壊する原因は主に、 水・水分、もしくはそれに含まれている塩分だそうだ。 砂漠であるエジプトであっても、地下水があるし、 また、ある気象条件が揃えば、結露することがあるそうである。 これらがスフィンクスの首を崩壊させるそうである。 また、日本の古墳の壁画にしても、 水分がよくないといい、古墳内を強制的に乾燥させると 長年に渡って保たれてきた湿度のバランスが崩れて、 壁の背面から水分を吸ってしまい、 カビを繁殖させてしまったりするそうである。

谷本教授のご講演後、各大学からの近況報告などがあったが、 九州大学からは、 先日行われたツアー「QREP」 についての報告があった。 ツアーの終了後、九州に戻ってからもツアーレポートに 九州・福岡を改善する提案・提言を加えて、 九州大学学内だけでなく、外部に向けた発表会を行うなど、 活発な活動を繰り広げられているそうである。

カテゴリー: JUNBA     22:46 | コメント (0) | トラックバック (0)

 
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