この日のJBCフォーラムでは、「ステムセル入門」と題して、
ステムセル(幹細胞)について、金島先生と保仙先生のお話しがあった。
バイオのド素人である私にでも理解できて、かつ、記憶に残っていることをいくつか挙げてみよう。
間違い等あれば、バイオの専門家のみなさん、ご指摘の程よろしくです。
まず、最近バイオ系の方々の話しを聞いていると
「ES細胞」という言葉を耳にすることがあったのだが、実は何のことだか私はわかっていなかった。
この日のお話しを伺うと、それは「Embryonic Stem Cell」、日本語では「胚性幹細胞」の
ことであるらしい。厳密には違うのだろうけれど、私的には「ES細胞 = 受精卵」の様に
受け取った。この細胞から生命体全体を含め、あらゆる臓器が生成されるわけなので、
「万能細胞」とも呼ばれているらしい。
ただし、クローン動物の問題があるので、倫理的に研究の制限があり、
それが、国や州によって大きく異なるらしい。
一方、大人の生物にも理論上、幹細胞が存在しているハズであるが、
実際に「幹細胞とはこれです」というように
取り出すことはできていないそうである。
また、たくさんある細胞の中に「幹細胞」が幾つか埋め込まれており、
通常はそれが眠っているのか、
それとも、普通の細胞が特殊な条件づけをおこなうと「幹細胞化」するのか、
その辺も解明されていないようである。
将来の応用例として、パーキンソン病やある種の糖尿病の治療が挙げられた。
これらの病気はある種の細胞が機能しなくなり、
それが原因で病気を引き起こしていることが明らかなそうである。
よって、その問題を起こしている細胞の代わりに、
正常な細胞を補うことによってそれらの病気が治療できるのだが、
しかし、現在のところ、まだ、その細胞を作り出す方法が確立できていないようだ。
また、幹細胞に関する研究が進み、細胞の培養技術が進めば、
現在取り組まれている 献血 や 骨髄バンク といったものが
不要となるかもしれない。
つまり、わずかなサンプルを基に血液なり骨髄なりを
大量に培養できるようになれば、
もっと多くの人の命が救えるかもしれない。
しかし、現実は難しいらしい。
その中でも角膜の増殖が最も実用化に近い段階にあるようだ。
最近、JBCのフォーラム等で、素人ながらバイオ系のお話しを伺っていると、
分野の垣根を超えて共通の部分があることに気づかされることがある。
例えば、神聖なる人の体と、人工的に作り上げた機械であるコンピュータを
単純に比べてはならないが、
問題の原因がどこにあるかを一つ一つ切り分けてゆく過程や、
そのしくみを解き明かしてゆく過程は、
一種のリバース・エンジニアリングということで、
共通する部分があるように感じる。
JBCフォーラム恒例の2次会は
会場の都合で会場をパロアルト・ダウンタウンのピザ屋さんへ移して行われた。
例のごとく深夜にまで及んだのは言うまでもない。
カテゴリー:
JBC/LSJ
22:41
| コメント (0)
| トラックバック (0)