今まで3回にわたり、モフェット・フィールド(Moffett Field)について調査した結果から、
私が感じたことを率直に書かせていただく。
シリコンバレーの発祥・発展の歴史として、
スタンフォード大学やターマン教授のことがよく挙げられる。
それはそれでもちろん重要なファクターなのだが、
実は、モフェット・フィールドや、それを誘致した当時の人々というのも
忘れてはいけないファクターではないか、と感じた。
『
シリコンバレー探検隊「Moffett Field Museum」(2)』
で、モフェット・フィールドの始まりについて
このモフェット・フィールドは、1930年からNavy(米海軍)が用地を入手
と、さらっと書いたが、もっと詳しく書くと、
実はその裏に面白い逸話が隠されている。
当時の米海軍も新しい施設建設の場所を、簡単にこの地に決めたわけではない。
いくつもの候補地があったそうである。
そこで、この地域のコミュニティーが地域振興を目的に
Laura Whipple 婦人を中心として、$476,679 で 1000エーカーの土地を購入し、
それを海軍になんとたった1ドルで売却したそうである。
当時、70年前のお金で、47万ドルと言えば莫大なお金である。
また、1930年といえば、世界大恐慌の真っ只中である。
そんな時分に、これだけの大金を投資したわけである。
これこそ、真の「Entrepreneurship」と呼べるのではないだろうか。
テクノロジーの発展の過程には、その是非はともかくとして、
軍事技術や武器開発が目的であることが多い。
その証拠に現在でも、モフェット・フィールドの敷地にロッキード・マーチンやモトローラ
の建物が隣接しているのがわかる。
また、モフェット・フィールドの敷地内には、NASAの Ames Research Center もある。
この様に、1930年代にスタンフォード大学の目と鼻の先
(具体的には直線距離で約10Km)に、モフェット・フィールドが出来たことは
その後のシリコンバレーの発展に非常に大きな意味を持ったと思う。
そのようになったのも、
当時この地に住んでいた人々のEntrepreneurshipによって実現したわけである。
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その他のシリコンバレー関連活動
14:25
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