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2005年4月25日
前回の『ハードディスクのデータ・リカバリー(HDD復旧作業) (3) 「基板交換」編 』の続き。
ハードディスクは超精密機械で、埃が少しでも入ると壊れてしまうと言われている。 そのため、通常、密閉されているHDD本体を開封する作業はクリーンルームの中で作業しなければならないのだが、そこまですると、時間とお金が余計にかかってしまう。 そこで、持ち主の方に了解をとった上で、ダメもとで、私の作業場で開封することにした。
作業は、まず表面のラベルを剥がすことから始めた。ラベルの下にネジが隠れていたからだ。 四隅の4個のネジと、中央の1個のネジを外した。それから蓋を外すわけだが、蓋と本体の間には、密閉するためのパッキンが入っていて密着しているので、これがなかなか外れない。
埃に注意しながらの慎重な開封作業の末に蓋を開けてみると、鏡のような磁気ディスクとヘッドが現れた。 見たところ、これといったメカニカル・ダメージはなさそうであった。
そこで、スピンドルが回るかどうか試してみたが回転しない。 聴診器による診断で予想したとおりの結果だった。 どうも、何らかの原因で軸受けが噛んでしまっているようだった。 その後、いろいろと作業を進めるうちに、運良くスピンドルが回り始めた。 これなら、復旧できるかもしれない。
蓋を閉じる前には、エアスプレーを使って、少しでも埃が中に入らないようにしながら蓋を閉めた。 HDD本体に基板を取り付けてからPCに繋ぐ。それからHDD本体に例の聴診器を当てながらPCの電源を入れてみる。 けっこうドキドキの瞬間である。
「キューン」とスピンドルモータが回る音が聴診器を通して聞こえてくる。
PCの画面に目をやると、BIOSがハードディスクを認識している。問題のハードディスクが動き出した瞬間である。
結果として、その後、データを取り出すために、このハードディスクを20時間程、回し続けることになったのだが、その間一回もクラッシュすることはなかった。
最近のハードディスクの内部には、埃を除去するためのフィルターも入っていて、クリーンルーム以外で開封作業をしても結構どうにかなるものである。
とは言っても、僅かだが間違いなく埃が内部に入っているし、軸受けにも何らかのダメージが残っているはずなので、このハードディスク、いつ壊れてもおかしくないのは確かではあるが。
さて、その後のデータの取り出しと、WindowsXPの復旧については次回のブログで。
カテゴリー: HDD復旧 14:29 | コメント (1) | トラックバック (0)